海外クライアントに送る請求書は、日本国内向けの書式とは書き方が異なります。英文請求書の基本項目、消費税欄の扱い、支払条件の書き方を実務目線で整理します。
英文請求書に必要な項目
海外向けの請求書(Invoice)には、最低限次の項目を入れます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Invoice number | 請求書ごとの管理番号 |
| Invoice date | 発行日 |
| 発行者情報 | 氏名または屋号、住所、連絡先(メール等) |
| Bill to | 相手先の会社名、担当者名、住所 |
| Description | 品目・業務内容 |
| Qty / Unit price / Amount | 数量・単価・金額 |
| Subtotal / Total | 小計・合計 |
| 通貨 | USDなど、金額の通貨単位を明記 |
| Due date / Payment terms | 支払期日(例:Net 30) |
| 送金先情報 | Wise、PayPal、銀行口座のいずれか |
銀行振込を指定する場合は、Bank name、SWIFT/BIC、IBANまたは口座番号、受取人名(Beneficiary name)を記載します。相手国によって必要項目が多少異なるため、初回は取引先に必要な情報を確認するとやり取りが減ります。
消費税欄はどう書くか
海外の相手に対して、便益が国外で生じる役務提供の場合、日本の消費税を上乗せしないのが一般的です(不課税・輸出免税に該当することが多いためです)。請求書上は「Tax: 0」や「No Japanese consumption tax applicable」のように示すか、そもそも消費税欄を設けない書式でも構いません。
ただし、取引が国内取引に当たると判断される場合は課税対象になることもあります。区分は契約内容や役務の実態によって変わるため、迷う場合は税理士に確認してから書式を固めるのが安全です。自分の取引がどちらに当たるか整理したい場合は、インボイス判定ツールで確認しておくと請求書の記載方針を決めやすくなります。
支払条件(Payment terms)の書き方
「Net 30」は「請求書発行日から30日以内に支払う」という意味の慣用表現です。Net 15、Net 60なども同様の書き方です。曖昧さを避けるため、Due dateとして具体的な日付も併記しておくと相手に伝わりやすくなります。
- 送金手数料の負担:どちらが送金手数料を負担するかを事前に取り決め、請求書にも一言添えておくとトラブルを防げます。銀行間送金は中継銀行手数料が発生し受取額が目減りすることがあるため、Wiseなど手数料が明示されやすいサービスを指定する事業者も多いです。
- 期日超過時の対応:支払いが遅れた場合の連絡方法や、必要であればリマインドのタイミングをあらかじめ決めておくと催促がしやすくなります。
通貨と為替の扱い
請求自体は外貨建て(USDなど)で行い、実際に入金があった時点の為替レートで円換算して帳簿に記帳するのが基本的な流れです。外貨建て取引の記帳方法の詳細は外貨の帳簿づけで解説しています。
インボイス制度との関係
海外の事業者を相手にする取引では、日本の適格請求書(インボイス)の交付義務は基本的に生じません。とはいえ自分の事業がインボイス発行事業者に登録すべきかどうかは取引形態によって変わるため、判断に迷う場合はまず登録要否を確認しておくと安心です。手取りベースで収支を試算したい場合は手取り計算機もあわせてご利用ください。